MRI融合前立腺針生検
2024年2月 静岡市立静岡病院泌尿器科
前立腺針生検は、前立腺癌を疑う場合に診断を確定するため、前立腺組織を採取して病理検査に提出する検査です。直腸に入れたエコーで観察しながら、約1mm×20mmの前立腺組織を複数本採取します。前立腺全体からまんべんなく12本採取する「系統的生検」と、癌を疑う病変の部位がエコー、MRI、触診のいずれかでわかるようならその部位を狙って追加する「狙撃生検」を併用することで、癌の検出率を高める工夫をしています。なかでも、MRIで癌が疑われる部位を正確に穿刺できると癌の検出率が高いことが報告されています。
ただし、MRIとエコーとでは癌を検出する仕組みが違うため、MRIで癌が疑われるのに経直腸エコーではその病変の位置がわからない場合があります。その場合、従来ではMRIで疑われた部位がエコーでどの位置に相当するか医師の頭の中で考えながら生検していましたが、大きな病変ならともかく、小さな病変だと位置のずれが生じ、癌を必ずしも検出できないこともしばしばあります。
ただし、MRIとエコーとでは癌を検出する仕組みが違うため、MRIで癌が疑われるのに経直腸エコーではその病変の位置がわからない場合があります。その場合、従来ではMRIで疑われた部位がエコーでどの位置に相当するか医師の頭の中で考えながら生検していましたが、大きな病変ならともかく、小さな病変だと位置のずれが生じ、癌を必ずしも検出できないこともしばしばあります。
近年、あらかじめ撮影して置いたMRI画像をエコーの画面に投影し、癌を疑う部分をエコーでも確実にわかるようにして生検する「MRI融合前立腺針生検」を行う施設が少しずつ増えてきました。2022年から保険適応となったものの、特別な(やや高額な)エコー機器を必要とするため、いまだ限られた施設でしかその方法での生検をやっていません。静岡県内でMRI融合前立腺針生検を施行している施設がなかったため、今までは希望される方には近隣県の愛知、神奈川、岐阜などの施設へ紹介状を作成し依頼していましたが、本年度から当院でもようやく予算がおり、2023年11~12月にテスト運用を行いました。2024年3月より本格的に運用を開始します。
針を進める経路として、肛門から直腸壁を経由して前立腺を穿刺する経直腸アプローチ、陰嚢付け根と肛門との間の皮膚(会陰部)を経由して前立腺を穿刺する経会陰アプローチとがあり、腫瘍の疑われる位置により、いずれかを選択あるいは両アプローチを同時に行います。
静岡市立静岡病院では、通院(日帰り)で無麻酔での経直腸前立腺針生検か、1泊入院で脊椎麻酔(または全身麻酔)での経会陰前立腺針生検のいずれかを選択でき、MRI融合針生検は後者の方法で、事前に撮影したMRIで前立腺癌を疑う部位が存在する場合に行うことができます。
通院無麻酔での経直腸前立腺針生検は15分程度の所要時間で入院の必要もなく手軽ですが、針の穿刺に伴う痛みが少々あります。MRI融合前立腺針生検では、1回目の生検で癌が確定することが多く、痛みや医療費負担を伴う複数回の生検を回避しやすくなります。ただし、1泊入院が必要となり、費用がややかさみます。
針を進める経路として、肛門から直腸壁を経由して前立腺を穿刺する経直腸アプローチ、陰嚢付け根と肛門との間の皮膚(会陰部)を経由して前立腺を穿刺する経会陰アプローチとがあり、腫瘍の疑われる位置により、いずれかを選択あるいは両アプローチを同時に行います。
静岡市立静岡病院では、通院(日帰り)で無麻酔での経直腸前立腺針生検か、1泊入院で脊椎麻酔(または全身麻酔)での経会陰前立腺針生検のいずれかを選択でき、MRI融合針生検は後者の方法で、事前に撮影したMRIで前立腺癌を疑う部位が存在する場合に行うことができます。
通院無麻酔での経直腸前立腺針生検は15分程度の所要時間で入院の必要もなく手軽ですが、針の穿刺に伴う痛みが少々あります。MRI融合前立腺針生検では、1回目の生検で癌が確定することが多く、痛みや医療費負担を伴う複数回の生検を回避しやすくなります。ただし、1泊入院が必要となり、費用がややかさみます。