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大腸癌・大腸疾患


日本の大腸癌の罹患数、死亡数はともに上昇しており、厚生労働省の報告によれば死因の第3位となっています。進行大腸癌に対する治療の第一選択はリンパ節郭清を伴う外科的切除(手術)であり、完全切除ができれば最も治療効果が期待できます。現在、当院では大腸癌の手術として、腹腔鏡下大腸手術を積極的に取り入れており、年々その実績は向上しています。

腹腔鏡下大腸手術

大腸癌の切除を行う場合、従来は大きくお腹を切開して手術していました。それに対して、腹腔鏡下大腸手術ではお腹に4~5本の筒状器具を刺して二酸化炭素ガスを注入し、その筒状器具から腹腔鏡というカメラと手術器具を操作することにより大腸癌の手術を行います。
腹腔鏡下大腸手術は盲腸から直腸まで全大腸で施行可能であり、当院においても全大腸に対して腹腔鏡手術を行っています。腹腔鏡下大腸手術にはいくつかの利点があり、そのため当院ではこの手術方法を積極的に採用しています。

  1. 術後の痛みが少なく、術後早期から体を動かすことができ合併症の予防に効果があります。
  2. 術後消化管運動の回復が良いため、早期から食事ができます。
  3. 術後の癒着が少ないため、腸閉塞を起こしにくくなります。
  4. 手術創は小さく、美容的にも優れています。
  5. 以上の点から、入院期間が短縮できます。

また、従来の開腹手術と比べて大腸癌の再発や予後の面において、腹腔鏡下大腸手術は悪影響がないと報告されております。従って、今後も当院では適応を遵守して腹腔鏡下大腸手術を積極的に行っていく方針です。

腹腔鏡下虫垂切除術

急性虫垂炎は急性腹症のなかでもっとも頻度が高く、軽症から重症までとても幅の広い疾患です。虫垂炎の手術的治療は大きく分けて、開腹手術と腹腔鏡下手術があります。当院ではどちらの手術も迅速に行うことが可能であり、症例に応じて術式を決定しています。
急性虫垂炎は術前診断が難しいことがある疾患でもあり、特に女性の場合は卵巣・卵管・子宮が近傍にあることからこれらの疾患との鑑別も重要になります。このような急性虫垂炎の疑い症例では腹腔鏡では広くお腹の中を観察できるため、より正確に診断ができます。そして、急性虫垂炎であれば、そのまま虫垂切除を行うことができます。また、開腹手術の小さな創からは見えにくいところも腹腔鏡であれば良好な視野で安全に手術操作が可能です。創の感染が少ない、腹腔内膿瘍を残しにくい、腸閉塞が少ないなどの点も腹腔鏡下虫垂切除術の大きな利点です。
しかし、すべての面で腹腔鏡下虫垂切除術が開腹虫垂切除術より優れているわけではなく、それぞれの症例に応じて開腹手術と腹腔鏡手術を選択していく方針で治療を行っています。