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乳がんラジオ波焼灼療法(RFA)


「切らない治療法」

早期乳がんの主な治療は、手術による切除術です。2023年12月より新たに保険適用になった、乳がんラジオ波焼灼療法(RFA)による「切らない治療法」は新しい選択肢の一つとなります。
但し、通常の乳がん手術より、適応条件が厳しくなります。(末項目:乳がんラジオ波焼灼療法適正使用指針 参照)
術後は薬物療法、放射線治療等その他の治療法と組み合わせて治療を行い、頻回な検査や厳密な経過観察により、切除術と同等の根治性を目指します。
静岡県内では当院を含め2施設が日本乳癌学会から、患者さんが安心して治療を受けられる、経験のある医師と治療にかかる体制が整った施設として、乳がんのラジオ波焼灼療法の実施医療機関として認証を受けています。(2024.10現在)

日本乳癌学会ホームページ(外部サイト)

手術の内容

乳房の処置

乳癌ラジオ波焼灼療法(RFA)は、がんの中に細い針状の電極を差し込んでラジオ波帯の電流を流し、発生する熱を利用してがんを焼灼する治療法で、皮膚切開を伴わないので皮膚に大きな手術瘢痕が残りません。また、乳房の変形も乳房部分切除(Bp)より少ないと考えられ、整容性の比較的高い手術です。1.5㎝以下の単発の乳癌(転移無し)が適応になります。手術中に十分に腫瘍が焼灼できない場合は、乳房部分切除術(Bp)(ないし全摘)に切り替える場合もあります。

(厚生労働省HP 医療技術の概要図 早期乳癌へのラジオ波熱焼灼療法より)

乳がんラジオ波焼灼療法適正使用指針(日本乳癌学会)

患者選択規準 適格基準

• 針生検で組織学的に通常型の原発性乳管癌であることが証明されていること。
• 腫瘍の大きさが、造影MRI検査、超音波検査を含む術前画像検査すべてにおいて長径 1.5cm以下の単発限局性病変であること。
• 癌の皮膚浸潤や皮膚所見(Delle)が認められないこと。
• 今回の乳癌に対する前治療(化学療法・ホルモン療法・放射線治療など)の既往がないこと。
• 年齢が20歳以上の女性である。
• 術後放射線治療が実施可能なこと。
• 手術、全身麻酔に耐えうる臓器機能を有すること。
• 術前診断にて腋窩リンパ節転移がないこと。

適応除外基準

• 妊娠中、もしくは妊娠している可能性がある症例。
• 心臓ペースメーカまたは植込み型除細動器を留置している症例。
• 局所の活動性の炎症や感染を合併している症例。
• 重篤な心疾患、脳疾患を有している症例。
• 人工骨等のインプラントにより、対極板を貼付できず、RFAが適切でない症例。
• 抗血小板療法、抗凝固療法等、止血困難が予想される症例。
• 画像上広範囲の乳管内病変の存在や多発病変の存在が疑われる症例。
• マンモグラフィ(MMG)で広範な石灰化を認める症例。
• 温存乳房内再発を含む異時性の同側乳癌症例。
• 他臓器転移を認める症例。