手術室等関連業務
手術室では、人工心肺装置、補助循環装置、自己血回収装置、術中血液透析装置の操作などの臨床技術提供を行っています。また、医療機器管理業務として電気メスや麻酔器の定期点検、内視鏡手術システムなどの調整と動作確認、各外科系診療科で使用する手術用医療機器の保守管理を行い、安全な手術が行われるよう努めています。
人工心肺業務
人工心肺装置とは、心臓、大血管手術時に一時的に心臓と肺の働きを代行し、全身から心臓(右心房)へ返ってくる血液を体外に導き、人工肺にて酸素加し、人工心(遠心ポンプ)で血液を体内へ送血する装置です。
臨床工学技士は、この装置の準備(始業点検・酸素配管接続等)、回路の組み立て、手術中の操作を担当し、医師・看護師と連携を取りながら心停止下での手術がスムーズかつ安全に行われるよう努めています。
当院での人工心肺装置使用症例は年間約300症例あります。
当院での人工心肺装置使用症例は年間約300症例あります。
胸部大動脈瘤、急性大動脈解離など大動脈疾患症例も多数あり、酸素加した血液を臓器毎に別けて送血する胸腹部分離体外循環や、脳分離体外循環、逆行性脳灌流など複雑な体外循環が必要となる症例にも対応しています。
補助循環業務
急性心筋梗塞などの著しい心機能低下時の一時的な心肺機能の補助として、大動脈内バルーンパンピング(IABP)、経皮的心肺補助法(PCPS)が広く使用されています。同様に、一時的に肺機能の補助をする装置を、機能的呼吸補助(ECMO)として使用されています。
IABPとは、大動脈と呼ばれる心臓から出る血管内に風船を入れ、心臓の仕事量を減らす事の出来る装置です。PCPS(ECMO)は、長期間の体外循環を行うため、血液が空気に触れる部分を無くした閉鎖回路を用います。静脈からカニューレと呼ばれる管を介して血液を導き、血液を全身に送る遠心ポンプと静脈血を酸素化する膜型人工肺を経てカニューレから動脈へと送り体内の血液の循環を補助します。
臨床工学技士は、これらの装置の保守点検、使用物品の管理を行うとともに、手術中の人工心肺装置と同様にPCPS開始時の回路準備、装置の操作、循環中に必要な採血と検査、記録等の管理を行っています。またPCPSは、手術室、ICU/CCU、心臓カテーテル室などで患者さんの急変時に使用することが多いため、いつでも安全に使用出来るように日々のトレーニングを行うことで緊急時に備えています。
麻酔器の安全管理
手術の際に使用する麻酔器の安全管理業務として、使用前点検、定期点検、使用中の異常時対応を行っています。
使用前点検は、日本麻酔科学会と日本医科器械学会の推奨するガイドラインに準じています。
使用前点検は、日本麻酔科学会と日本医科器械学会の推奨するガイドラインに準じています。
全身麻酔では、麻酔器の人工呼吸装置による吸気とともに気化させた麻酔薬を患者さんの体内に取り込ませることで手術に伴う痛みを感じさせない状態にします。意識の消失と同時に筋肉の緊張を緩ませて手術の痛みによる反射を起こさせない状態にすることが麻酔(麻酔器)の役割です。
このように、麻酔器は手術中の患者さんの生命を維持するための重要な医療機器です。使用前点検、定期点検は、安全な手術を行うために欠くことのできない業務であり、使用する麻酔医、看護師と連携し日常の情報交換を行いながら正常動作の維持に努めています。
経カテーテル大動脈弁植込み術(TAVI)
「TAVI」とは、Transcatheter Aortic Valve Implantationの略で、「経カテーテル大動脈弁植込み術」と訳されます。TAVIは、胸を開かず、心臓が動いている状態で、カテーテルを使って人工弁を患者さんの心臓に装着する治療法です。
この治療は、心臓の弁が上手く機能せず、息切れなどの症状が出る「心臓弁膜症」の患者さんで、高齢などの理由で手術をあきらめていた方に対する新しい治療の選択肢となります。
まず、装着予定の生体弁を洗浄します。
次に洗浄された生体弁を折りたたみ、カテーテルに装着します。
高性能な透視装置により、患者さんの血管の様子を高解像度の映像で立体的に把握しながらカテーテルを大動脈弁まで進めていきます。
次に洗浄された生体弁を折りたたみ、カテーテルに装着します。
高性能な透視装置により、患者さんの血管の様子を高解像度の映像で立体的に把握しながらカテーテルを大動脈弁まで進めていきます。
生体弁が大動脈弁の位置に到達したら、バルーンを膨らませ、生体弁を広げて留置します。
臨床工学技士は循環不全に陥った際の補助循環および、弁輪破壊・左心室破裂・大動脈解離発生時の人工心肺への移行の際、緊急時の対応要員としてスタンバイしています。
臨床工学技士は循環不全に陥った際の補助循環および、弁輪破壊・左心室破裂・大動脈解離発生時の人工心肺への移行の際、緊急時の対応要員としてスタンバイしています。
腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術 内視鏡手術支援ロボットda Vinci
日本では2009年より医療機器として認可を受け、2012年4月より、前立腺癌に対する手術のみ、保険医療として認められています。
当院では2013年7月より臨床を開始しました。導入時には医師(泌尿器科、麻酔科)、看護師、臨床工学技士でdaVinciチームを結成し初症例に臨みました。
daVinciでの主な業務は手術前日の準備(各コンソールを接続し動作確認)、手術中のサポート(Roll in、Roll outや内視鏡動画の録画など)やトラブル対応、そして術後の終業点検と片付けです。
肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法
ラジオ波焼灼療法とは、肝臓にできた悪性腫瘍の治療法のひとつで、超音波で観察しながら皮膚を通して電極針を腫瘍の中心に挿入しラジオ波という電流を通電させ、針の周囲に熱を発生させ、腫瘍を壊死させる方法です。
ラジオ波は、450kHzの高周波のことで、他の医療機器(電気メスなど)に使用される高周波と同じものです。電極針は太さが直径1.5mmの金属でできています。これにより手術療法や肝動脈閉塞術などの他の肝臓の悪性腫瘍の治療にくらべ、患者さんの負担が少なく、治療の効果を得ることができます。当科では依頼を受けて準備を行い、医師の指示を受けながら、電気の発生装置(ジェネラーター)の操作を行っております。
ラジオ波は、450kHzの高周波のことで、他の医療機器(電気メスなど)に使用される高周波と同じものです。電極針は太さが直径1.5mmの金属でできています。これにより手術療法や肝動脈閉塞術などの他の肝臓の悪性腫瘍の治療にくらべ、患者さんの負担が少なく、治療の効果を得ることができます。当科では依頼を受けて準備を行い、医師の指示を受けながら、電気の発生装置(ジェネラーター)の操作を行っております。
エコーガイド下に直接穿刺と腹腔鏡下に行う方法がある(消化器内科:直接穿刺、消化器外科:腹腔鏡下あるいは開腹下)