血液浄化業務
血液浄化関連業務では主に急性・慢性腎不全患者さんへの血液透析、患者様の病態に合わせて施行する持続緩除式血液濾過透析(CHDF)、血液吸着(DHP)、血液中の血漿成分から病気の原因物質を除去する血漿交換療法(膜分離法)等の治療材料のセットアップから治療中の管理と装置の操作、始業・終業時の保守管理を行っています。
これらの業務では、患者さんの状態によって血液浄化センター以外に集中治療室(ICU/CCU・GHCU)、病棟HCUへ出向し治療にあたります。
これらの業務では、患者さんの状態によって血液浄化センター以外に集中治療室(ICU/CCU・GHCU)、病棟HCUへ出向し治療にあたります。
血液透析
血液透析は、腎不全治療における血液浄化療法のうち、最も普及している治療法と言えます。腎臓の機能である体液の調節、電解質の補正、酸塩基平衡の是正、老廃物の除去などを代行します。
臨床工学技士は、血液浄化センターで医師、看護師と共同して血液透析の準備・開始から終了までの治療に関わることで治療が安全に行われるよう努めています。透析の準備では、治療に必要な機械や材料のセットアップ、ダイアライザと呼ばれる透析器と血液回路との組み立て及びプライミング、ダイアライザへ流して血液をきれいにするための透析液の浸透圧と電解質を測定します。
治療開始時は、医師、看護師と同様に患者さんのシャントへの穿刺、透析条件の設定、機械の操作を行います。また、臨床工学技士は、患者さんを担当する看護師と別の視点から透析装置の条件設定や血液回路の状態などの巡回点検を行うことにより職種別のダブルチェックを行います。
治療終了時は、患者さんへの返血(血液回収)、抜針、止血確認を行い、装置の終了時点検を行います。
血液浄化センターでは、このほかにも患者さんの病態によって血液濾過法、血液透析濾過法など様々な治療法を行っています。
血液浄化センターでは、このほかにも患者さんの病態によって血液濾過法、血液透析濾過法など様々な治療法を行っています。
血漿交換
血漿交換療法では、血漿分離器を用いて血液を血球と血漿に分離し、血漿成分を廃棄し、代わって血液製剤である新鮮凍結血漿(FFP)等の血液製剤と、置換する全血漿交換療法、分離した血漿をさらに血漿成分分離膜で濾過し有用な成分を体に戻す二重膜濾過血漿交換法等を行っています。
薬物中毒、肝不全、劇症肝炎、自己免疫疾患など肝臓疾患や血液疾患、免疫疾患といった病態に適応され、血液浄化センター、集中治療室(ICU/CCU・GHCU)や病棟HCUへ出向し治療を行っています。
薬物中毒、肝不全、劇症肝炎、自己免疫疾患など肝臓疾患や血液疾患、免疫疾患といった病態に適応され、血液浄化センター、集中治療室(ICU/CCU・GHCU)や病棟HCUへ出向し治療を行っています。
また、血漿交換を行う装置を使用し、癌、肝疾患、腎疾患等に起因して貯留する腹水を体外に取り出して濾過濃縮し、得られた自己蛋白溶液をアルブミン製剤等の代わりに再静注する腹水濾過濃縮再静注法も行っています。
吸着療法
吸着療法とは、吸着材を充填した吸着筒に血液を流すことで血中の病因物質を吸着除去する治療法です。
当院では、敗血症等に対するポリミキシンB固定ファイバカラム(PMX)を用いたエンドトキシン吸着、潰瘍性大腸炎の治療に顆粒球吸着療法(GCAP)などの直接血液吸着が施行されており、セットアップから治療中の血行動態管理、終了時の返血まで行っています。
腹水濾過濃縮再静注法(CART)
腹水濾過濃縮再静注法とは、腹水(胸水症)患者さんの腹水(又は胸水)を採取し、それを濾過、濃縮して、自身のアルブミンなど有用なタンパク成分を再び点滴で体内へ戻す治療法のことをいいます。この治療法によって利尿剤投与等では治療困難な「難治性腹水症」の患者さんの自覚的苦痛の軽減、循環血漿量の増加、腹圧の軽減、血漿浸透圧の上昇などが期待できます。
臨床工学技士は、血液浄化センターの医師からCARTの指示を受け、濾過器、濃縮器、回路等のセットアップを行い、採取された腹水の処理(濾過濃縮)を行うために専用装置の操作を行っています。
※CARTは「Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy」の略です。
臨床工学技士は、血液浄化センターの医師からCARTの指示を受け、濾過器、濃縮器、回路等のセットアップを行い、採取された腹水の処理(濾過濃縮)を行うために専用装置の操作を行っています。
※CARTは「Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy」の略です。