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ロボット支援手術


ロボット支援手術とは?

ロボット支援手術(以下ロボット手術)とは、ロボットが自動で手術してくれるのではなく、術者の手の動きを体内で忠実に再現してくれるロボットアームを用いた手術です。
体腔鏡と開放手術の良いところを併せ持つため、近年急速に普及しています。当院にも2013年7月に、静岡県で3番目、県中部では最初にロボット手術が導入され、県下有数のロボット手術の経験を有しています。

ロボット手術の特徴

大きな傷から手を入れて行う従来の開放手術と比べ、小さな穴をいくつか開けて行う体腔鏡手術では傷が小さいので術後の痛みが少なく、社会復帰が早い、炭酸ガスの気腹圧により出血が少ないなどの利点があります。反面、自由度の少ない鉗子を用いるため、操作が難しく、時間がかかるという欠点もあります。特に、鉗子を使って縫合するのが難しいため、縫合が必要な体腔鏡手術の難易度がより高くなります。
これに対して、ロボット手術では、手の動きを忠実に再現する多関節のロボットアームにより、開放手術と同等か、それ以上の複雑な動きが可能です。3D内視鏡のリアルな立体画像を見ながら、直感的な操作によって、正確で精密な手術が可能となり、手術の質が向上します。その感覚は、「自分が小人になってお腹の中に入り、素手で手術をしている」ようにも感じられます。

精密な操作により、癌を切除する際に取らなくて良い部分をできるだけ残すことで、従来の開放手術や体腔鏡手術より、本来の機能を温存しやすくなります。また、難しい操作がより容易にできるため、従来だと手術できなかったような状況でも手術ができるようになる場合があります。

サージョンコンソールとビジョンカートとペイシェントカートの説明の図

手術をしていると、もう1本自分の手があったらな、と思う瞬間があります。ロボット手術では、術者は3本のロボットアームを随時切り替えながら操作しますので、手が3本あることになります。それぞれのアームに、鉗子やハサミ 、電気メスなど様々な器具を装着し交換しながら手術を進めます。
また、術野を映し出す内視鏡を、体腔鏡手術では助手が操作しますが、手持ち故に手振れが発生しますし、長時間だと疲れてしまいます。慣れない助手だと呼吸が合わず、手術がスムースに進まないこともあります。ロボット手術だと内視鏡アームを術者本人が操作しており、自分が最善と思う角度から安定して手振れのない視野を確保できます。

手術による違いの説明の図

〈クリックで拡大します〉

ロボット手術でしかできない手術(術式)はありませんが、ロボット手術で行うことで、開放手術や体腔鏡手術よりも「手術の質」が向上し、手術時間が短縮したり合併症が減ったりと、患者にとってもメリットがある手術が多数あります。
欠点として、ロボット自体が大変高額ですし、維持費もかかります。加えて、ロボット用の鉗子を含めた使い捨ての器具が手術の度にたくさん必要です。手術をどれもこれもロボットに移行して国内でのロボット手術が増やしすぎてしまうと、限られた日本の医療費予算を圧迫しかねないことから、ロボット手術を保険適応として行うには術式ごとに厳しい審査が行われており、適応となる術式が制限されてきました。実際に国内の限られた施設で試験的に実施された成績から、コストを上回ってメリットが高いと判断された術式が、2年毎に国が改める保険点数見直しの度に増えてきています。

各診療科のロボット手術について